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あいまいな喪失(ambiguous loss)

 私たちは、死別、離婚、失業、退職などの喪失を体験した際、個人や文化の差はありますが、悲嘆反応を経験します。Pauline Boss博士が提唱する「あいまいな喪失」は、喪失そのものがあいまいなため、悲嘆が凍結し、複雑化するといわれています。そのため、Boss博士は、通常の死別の支援とは分けて考える必要があると述べ、「あいまいな喪失」理論を提唱しています。
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 災害によって大切な人が行方不明になる、以前住んでいた土地や家に戻れなくなるなどの場合は、喪失そのものが不確実です。行方不明者の家族は、愛する人が亡くなってしまったのか生きているのか、もしくはご遺体が見つかるのか見つからないのか、もっとも重要なことがあいまいな状況となってしまいます。また死別であっても、死に至った理由や原因があいまいな場合や、遺された人がその喪失を公に悲しむことができない場合などは、あいまいな喪失といえます。
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 Pauline Boss博士の「あいまいな喪失」理論は、喪失の状態を説明するものであって、それを病気として扱うわけではありません。起こっている状況に「あいまいな喪失」と名づけ、起こっている問題はその人が原因ではなく、その状況にあると考えます。また、家族全体の回復する力(レジリエンス)を高めることで、家族ひとりひとりがあいまいな喪失に向き合う抵抗力をつける必要性を説いています。
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 あいまいな喪失理論の詳細については、このウェブサイトの姉妹版であるJDGS Project「あいまいな喪失 情報ウェブサイト」や、書籍『あいまいな喪失とトラウマからの回復:家族とコミュニティのレジリエンス』(誠信書房)をご覧ください。



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