深い悲しみが長引くとき


大切な人をなくされた方へ

災害による死別は、大きな外傷体験(トラウマ)でもあります。そのような外傷体験後の回復のゴールは、死別という出来事を忘れることでも、その苦痛が二度と起こらないようにすることでもありません。何年経っても悲しみは起こるものですし、大切な人のことはいつまでも忘れることはないのです。

 

しかし、悲嘆(グリーフ)があまりに長く強く続くと、健康上にさまざまな問題が生じることもあります。たとえば、複雑性悲嘆やうつ病、PTSD(心的外傷後ストレス障害)、アルコール依存など、深刻な状況に陥り、日常生活に支障をきたす場合があるのです。

 

もしあなたが、何ヶ月間も以下のような項目が当てはまり、日常生活に影響が出ている場合には、死別に詳しい精神科医や心療内科医、心理職、かかりつけ医、保健師、死別の支援を行っている支援機関(精神保健福祉センターなど)に相談して下さい。

 

  • 人生に生きる意味が見出せない
  • 大切な人と一緒に死んでしまえば良かったと感じる
  • 死の場面が何度もくりかえし思いうかび、強い苦痛が続く
  • 大切な人の死は自分のせいだったと強く感じる、その思いで自分自身をしばしば責める
  • 悲しみのために通常の日常生活が送れない
  • 感情がなくなったかのような麻痺した感覚が続く
  • 死別後、他人を信頼することができない
  • 人と会ったり接することを過度に避けている
  • 心身の不調が長く続いている
  • アルコールやたばこ、薬の量が過剰に増えている