大切な人との死別後は、さまざまな法的な手続きがあります。さまざまな手続きは、その方が亡くなったことを実感させるため、ご家族・ご遺族にとって、大きなストレスとなるかもしれません。反面、手続きをすることで、家族が徐々にその人の死を受けとめていくプロセスになることもあります。 ここに死別後に必要な手続きを記載致しますが、一人で背負わず、信頼できる人に少し手伝ってもらうことも、自分自身をケアするという意味で大切なことです。 【死別後すぐに必要なこと】 〇葬儀社の決定 亡くなられた方とご家族の意思を、可能な限り反映して頂けるような葬儀社を選択された方が良いでしょう。事前の相談が必要な場合もあります。 〇宗教者への連絡 通夜・葬儀の日時、式場などを打ち合わせします。宗教者の助けも大切です。 〇連絡先リストの作成 交友関係を確かめるために、亡くなられた方と親しかった方にお手伝いをお願いされてもよいかもしれません。 〇通夜・葬儀の連絡 連絡をスムーズに行うため、亡くなられた方と親しかった方にお手伝いをお願されてもよいかもしれません。 【早めに必要なこと】 〇電気・ガス・水道の名義変更 電力会社やガス会社、水道局に手続が必要です。電話でも可能です。 〇運転免許証の返却 警察または公安委員会で手続が必要です。いつも身に着けておられたものですので、返却は簡単なことではないかもしれません。 〇クレジットカード クレジットカード会社に解約の手続を依頼します。 〇遺言の確認 遺言書があるかどうかを確認します。遺言には、①公正証書遺言、②秘密証書遺言、③自筆証書遺言があります。①は公証人役場で確認する事が可能です。②③は、自宅や銀行の貸金庫、近親者のところ等で保管されている可能性があります。②③の場合は、家庭裁判所に提出し検認という手続きを受ける必要があります。 〇相続財産の確認 不動産登記簿・預金通帳・金融機関からの取引報告書などを確認します。 〇遺産相続 遺言書がない場合は、相続人全員が、民法に定める割合で相続分が決まります。しかし、相続人全員で、誰がどの財産を相続するか、話し合いで決める事も可能です。その場合は、遺産分割協議書を作成し、相続人全員の捺印が必要です。遺産分割協議書は自分で作成する事も出来ますが、司法書士などに依頼する方法もあります。遺産分割には期限がありませんが、相続税等に影響しますので、相続税の申告時期までには確定しておくことが望ましいです。 【死別後7日以内に必要なこと】 〇死亡届の提出 医師の診断書と一緒に役所に提出します。死亡届の提出後に、火葬許可申請書を提出し、火葬許可証をもらいます。なお、火葬許可書は火葬場で「火葬済」の押印をもらい、納骨の際に墓地等の管理者に提出する必要があります。 【死別後14日以内に必要なこと】 〇年金受給停止 役所または年金事務所に手続が必要です。 〇住民票の世帯主変更届 亡くなられた方が世帯主であった場合は、役所で変更手続きが必要です。世帯主の方が亡くなられて、自分が世帯主になったとき、あらためてその方がいなくなったことを実感し、いろいろな感情が湧いてくることもあります。 〇国民健康保険証の返却 役所で手続が必要です。 〇介護保険証の返却 役所で手続が必要です。 【死別後3か月以内に必要なこと】 〇相続放棄 亡くなられた方に債務(借金)がある場合は、相続放棄の手続きをすることも可能です。その場合は、相続開始があったことを知った時(通常は被相続人の死亡を知った時)から3か月以内に家庭裁判所に「相続放棄の申述」をする必要があります。その場合は、財産も相続できませんのでご注意ください。また、放棄すれば、他の相続人が債務を相続することになりますので、他の相続人も同様に手続きした方が良いでしょう。また、相続財産がプラスかマイナスか明らかでない場合は、「限定承認の申述」をすれば、相続によって取得するプラスの財産の限度で、なくなられた方の債務を支払えばすみます。限定承認は、共同相続人全員が共同で、3か月以内に家庭裁判所で手続きをします。 【死別後10か月以内に必要なこと】 〇相続税の申告・納付 税務署に申告・納付が必要です。税理士や税務署に相談してみるのも良いかもしれません。 【死別後2年以内に必要なこと】 〇生命保険の請求 一般的には、死亡給付金請求書、保険証券、死亡診断書、住民票、受取人の印鑑証明書、受取人の戸籍謄本などの準備が必要です(商法上2年以内、3年以内の保険会社も多い)。 〇高額医療費の申請 なくなられた方に必要とした医療費で一定の自己負担額を超えた金額について申請出来ます(支払後2年以内)。 〇健康保険の埋葬料の申請 被相続人が被保険者の場合は、年金事務所や健康保険組合で手続が出来ます(死亡後2年以内)。 〇国民健康保険の葬祭費の申請 被相続人が被保険者の場合は、役所で手続が出来ます(葬儀後2年以内)。 【死別後5年以内に必要なこと】 〇国民年金・厚生年金・共済年金の遺族年金などの請求 役所や年金事務所、共済組合事務所で手続きが必要です。手続きの期限に猶予がありますが、できるだけ早めに行いましょう。 【気持ちの整理の過程で】 〇遺品の整理 49日が過ぎてからと言われたりしていますが、整理をすることによって、その方と過ごした日々が赤裸々によみがえり、つらくなるかもしれません。急ぐ必要はないと思われます。 〇納骨 一般的には1周忌頃とも言われていますが、ご自身が納得されることが大切です。家族、親族、宗教関係者とも相談し、適切な時期を導き出して頂けたらと思います。
大切な人との死別後は、さまざまな法的な手続きがあります。さまざまな手続きは、その方が亡くなったことを実感させるため、ご家族・ご遺族にとって、大きなストレスとなるかもしれません。反面、手続きをすることで、家族が徐々にその人の死を受けとめていくプロセスになることもあります。
ここに死別後に必要な手続きを記載致しますが、一人で背負わず、信頼できる人に少し手伝ってもらうことも、自分自身をケアするという意味で大切なことです。
【死別後すぐに必要なこと】
〇葬儀社の決定
亡くなられた方とご家族の意思を、可能な限り反映して頂けるような葬儀社を選択された方が良いでしょう。事前の相談が必要な場合もあります。
〇宗教者への連絡
通夜・葬儀の日時、式場などを打ち合わせします。宗教者の助けも大切です。
〇連絡先リストの作成
交友関係を確かめるために、亡くなられた方と親しかった方にお手伝いをお願いされてもよいかもしれません。
〇通夜・葬儀の連絡
連絡をスムーズに行うため、亡くなられた方と親しかった方にお手伝いをお願されてもよいかもしれません。
【早めに必要なこと】
〇電気・ガス・水道の名義変更
電力会社やガス会社、水道局に手続が必要です。電話でも可能です。
〇運転免許証の返却
警察または公安委員会で手続が必要です。いつも身に着けておられたものですので、返却は簡単なことではないかもしれません。
〇クレジットカード
クレジットカード会社に解約の手続を依頼します。
〇遺言の確認
遺言書があるかどうかを確認します。遺言には、①公正証書遺言、②秘密証書遺言、③自筆証書遺言があります。①は公証人役場で確認する事が可能です。②③は、自宅や銀行の貸金庫、近親者のところ等で保管されている可能性があります。②③の場合は、家庭裁判所に提出し検認という手続きを受ける必要があります。
〇相続財産の確認
不動産登記簿・預金通帳・金融機関からの取引報告書などを確認します。
〇遺産相続
遺言書がない場合は、相続人全員が、民法に定める割合で相続分が決まります。しかし、相続人全員で、誰がどの財産を相続するか、話し合いで決める事も可能です。その場合は、遺産分割協議書を作成し、相続人全員の捺印が必要です。遺産分割協議書は自分で作成する事も出来ますが、司法書士などに依頼する方法もあります。遺産分割には期限がありませんが、相続税等に影響しますので、相続税の申告時期までには確定しておくことが望ましいです。
【死別後7日以内に必要なこと】
〇死亡届の提出
医師の診断書と一緒に役所に提出します。死亡届の提出後に、火葬許可申請書を提出し、火葬許可証をもらいます。なお、火葬許可書は火葬場で「火葬済」の押印をもらい、納骨の際に墓地等の管理者に提出する必要があります。
【死別後14日以内に必要なこと】
〇年金受給停止
役所または年金事務所に手続が必要です。
〇住民票の世帯主変更届
亡くなられた方が世帯主であった場合は、役所で変更手続きが必要です。世帯主の方が亡くなられて、自分が世帯主になったとき、あらためてその方がいなくなったことを実感し、いろいろな感情が湧いてくることもあります。
〇国民健康保険証の返却
役所で手続が必要です。
〇介護保険証の返却
役所で手続が必要です。
【死別後3か月以内に必要なこと】
〇相続放棄
亡くなられた方に債務(借金)がある場合は、相続放棄の手続きをすることも可能です。その場合は、相続開始があったことを知った時(通常は被相続人の死亡を知った時)から3か月以内に家庭裁判所に「相続放棄の申述」をする必要があります。その場合は、財産も相続できませんのでご注意ください。また、放棄すれば、他の相続人が債務を相続することになりますので、他の相続人も同様に手続きした方が良いでしょう。また、相続財産がプラスかマイナスか明らかでない場合は、「限定承認の申述」をすれば、相続によって取得するプラスの財産の限度で、なくなられた方の債務を支払えばすみます。限定承認は、共同相続人全員が共同で、3か月以内に家庭裁判所で手続きをします。
【死別後10か月以内に必要なこと】
〇相続税の申告・納付
税務署に申告・納付が必要です。税理士や税務署に相談してみるのも良いかもしれません。
【死別後2年以内に必要なこと】
〇生命保険の請求
一般的には、死亡給付金請求書、保険証券、死亡診断書、住民票、受取人の印鑑証明書、受取人の戸籍謄本などの準備が必要です(商法上2年以内、3年以内の保険会社も多い)。
〇高額医療費の申請
なくなられた方に必要とした医療費で一定の自己負担額を超えた金額について申請出来ます(支払後2年以内)。
〇健康保険の埋葬料の申請
被相続人が被保険者の場合は、年金事務所や健康保険組合で手続が出来ます(死亡後2年以内)。
〇国民健康保険の葬祭費の申請
被相続人が被保険者の場合は、役所で手続が出来ます(葬儀後2年以内)。
【死別後5年以内に必要なこと】
〇国民年金・厚生年金・共済年金の遺族年金などの請求
役所や年金事務所、共済組合事務所で手続きが必要です。手続きの期限に猶予がありますが、できるだけ早めに行いましょう。
【気持ちの整理の過程で】
〇遺品の整理
49日が過ぎてからと言われたりしていますが、整理をすることによって、その方と過ごした日々が赤裸々によみがえり、つらくなるかもしれません。急ぐ必要はないと思われます。
〇納骨
一般的には1周忌頃とも言われていますが、ご自身が納得されることが大切です。家族、親族、宗教関係者とも相談し、適切な時期を導き出して頂けたらと思います。