家族・親族や友人による支援


支援する方へ

家族や親族、友人などによるサポートは、最も大切な支援の一つです。なぜなら、その人たちは、故人のことをよく知り、遺された人たちが故人のことをどんなに大切に思っているかを知る人だからです。

 

遺された人たちに何と言葉をかけたら良いのかわからないかもしれません。また悲しい顔を見ると自分も悲しくなるので、できるだけ触れたくないと思うこともあるでしょう。

 

しかし、多くの場合、何も言わなかったり、その話題を避けるよりは、「自分も悲しく、とても残念に思っている」ということを、その人に伝えるほうが良いのです。悲しみを取り去ることはできませんが、その人たちが話したいと思う時に耳を傾けたり、実際に困っていることに対し援助することによって、あなたはその人を支えることができます。

 

 

【援助のためのいくつかの方法】

 

1.喪失をなかったことにしないこと

  • 最初に、遺された人たちの喪失や悲しみを認めて下さい。まるでその喪失がなかったことのように無視することは、もっとその人の苦悩を増やすことになります。
  • 電話や突然の訪問は、負担になることがありますので、そのような時はメールや手紙を出してみることも一つの方法です。大切な人がなくなったことに対して、自分も悲しんでいることや、遺された人たちのことをとても心配していることを、知らせることができます。もしあなたが亡くなった人を知っていたなら、思い出を分かち合ったり、その人の素晴らしかった点を伝えることもできるでしょう。手紙やメールの最後に「返事は必要ありませんよ。」とつけ加えることが、思いやりにつながります。

 

2.聴くこと

  • 耳を傾けてくれる人に話をすることは、大きな助けになります。悲しみや怒りや苦しさなど、自由に感情を表現することで、苦悩を和らげることができます。ただし、話をすることがつらい時もあります。そのような時は、無理に聞かないようにしましょう。
  • 喪失との向き合い方は、人によって異なります。どのように悲しみと折り合いをつけていくかも、その人が答えを持っています。話の中で出てくるその人なりの考え方や答えを尊重しましょう。
  • もしあなたが共感して涙が出そうになっても、戸惑わなくて大丈夫です。話をする人にとっても、それを聞く人にとっても、泣くことはとても自然なことであり、回復過程の一部です。また、なくなった人のことを思い出す中で、笑いが起こっても、それは自然なことです。ありのまま感情を表現することが良いのです。

 

3.細く長く連絡をとり続ける

  • 親しい人がなくなると、その影響は、数ヶ月から数年に及ぶこともあります。ご遺族は、命日や誕生日などの記念日の度になくなった人が思い出されるでしょう。何年経っても悲しみが続くことを周囲の人が理解し、その時々にサポートすることは、とても助けになります。

 

4.日常生活の支援

  • 大切な人がなくなると、しばしば日常生活にも支障をきたします。日常生活の支援は、まずは最初にその人に何をしてほしいかを尋ねると良いでしょう。援助の方法はいろいろあります。たとえば、その人の代わりに買い物に行くこと、料理をすること、子どもたちの世話を手伝うこと、何かの手続きを代わりに行うことなど、一つ一つのことが大きな支えとなります。

 

5.ほかに助けになること

  • 次にその人に会った時も、どれぐらい自分も残念に思っているかを伝えて下さい。
    その人は起こったことについて、何度も何度も繰り返し考えているかもしれません。
    それは、死別の過程では正常なことです。同じ話をする中で、その人は心の整理をつけていくことも多いのです。
  • その人が望む時は望むだけ、その人の悲しみについて話をして下さい。また、以前と同じように、亡くなった人のことについて話をして下さい。
  • さしつかえなければ、お葬式などの供養儀式や追悼式に出席して下さい。
  • その人に自分自身の体を大事にするように伝えて下さい。十分に食べ、必要な休息をとり、もし健康上の心配があるならば、受診するように話して下さい。可能であれば、そのために手伝えることを話し合って下さい。